Re:litho リリト|石版リトグラフ再活性化プロジェクト

ACTION

工房と石版リトグラフを盛り上げるためにまず、
なにかできることはないか。
スタートからここまでの、
思考と行動の道のりです。

1大量の石版におどろく。

工房にはじめて入ったときに目を奪われたのは、あらゆる場所に無造作に置いてある石版。大きなものは、小学校の机の天板くらいのサイズ、重さは70Kg。さらに倉庫にも、この数倍はある…。表面には、巨匠の描いた少女や風景画、レトロな薬のパッケージ、ディテールの細かすぎる株券などなど…。なにこれかっこいい!でも今のままではただのオブジェ(それでもかっこいいのですが)。なんとかならないのかあ。

2工房の設備を直さなければ…

さらにいえば、プレス機も無骨でかっこいい。でも工房では20年以上石版リトグラフを刷っていないそうで、多分ちゃんとは動かない。なのでとりあえず、直してみることにしました。工房内を探し回ってでてきたパーツを使ってみたり。壊れた木製パーツをカンナ掛けしてみたり。少量なら刷れるかも、というところまで来ました。

3インクや薬品も買わねば…

印刷に欠かせないインク。これも工房内に缶がたくさん残ってました!がフタを開けてみるとカラカラに干からびていて使い物になりません。さらに製版に使う薬品も足りてない。これも必要最低限のもの(インクなら例えば黒・白・赤・青・黄など)を厳選して自費購入。でも、どこでも買えるものでもないし、とにかく高いのです…涙。

4ストーンマークって、石版ならではだ。

材料が揃えば、次は、何を作るか。過去に作られたリトグラフ作品を見ていると、とにかく美しい。筆で描かれたあとがしっかり見えるし、発色もきれい。でも。美しすぎて、普通の絵のように見える…。せっかく石版使ってるのに!工房内をさらに探ると、試し刷りらしき紙に、石を押し付けたような跡が。紙より小さな石版をプレス機にかけたときに付く「ストーンマーク」ていうんだそうです。!これ、石版リトグラフだけだよね?アイコニック!

5ポスターハンガーという手もある。

ストーンマーク推しは決まった。せっかくなので額縁に入れてみた。でもガラスの反射が邪魔してよく見えないし、凹凸があれば、触りたくなるよね心情として。カフェとかで見かける、ポスターの上下を挟むだけのハンガー。あれならいけるかも!せっかくなので地元奈良産の木とかでできたらいいなと思い、当たってみたら、なんと工房のご近所にスゴウデの木製品製造メーカーさんがあり、ご協力いただけることに!

6イラストレーターに描いてもらう。

ウツワは整った。でもソコには「絵」がない。ここは日頃のデザイン業務で培ったコネやツテや人脈をフル活用!こうして出会ったMariya Suzuki さん。その作風はトレンド感があって、かわいくもかっこよく、私たち自身がほしい!と感じたものでした。また職人いわく、線と面がレイヤーになっていたり、面に濃淡があるのはリトグラフ向きとのこと。さらになんとご本人、奈良県ご出身ですって!これはもう、ご縁ですね。とはいえMariyaさんも車木工房としても、全く新しい取り組み。試行錯誤の上、数ヶ月かけて3作品を作っていただきました。多謝!

7魚拓ならぬSEKITAKUってどうか。

一方で私たちが考えていたのは、職人と工房のものだけで、なにかプロダクトを生み出せないかということ。石版そのものと、リトグラフインクの美しさに心奪われていた私たちは「石版全面にインク塗ってプレス機通したら、どうなるんですか?」と聞いてみました。すぐに刷り始める職人。出来上がったものは、ストーンマークとインクが、石版のディテールをより際立たせた、ミニマリズムあふれる現代的なプロダクト。これっていわば、石の魚拓だよね。おもしろい!

8石版リトグラフ好きの人と仲良くなる。

プロジェクトを進めていくと、奈良で地域振興をされていたり、印刷業界を盛り上げようとしている人だったりと、さまざまな方々との出会いがありました。また、SNSを通じても、たくさん声をかけていただけるように。こうしてお会いできたのが、石版リトグラフを軸に活動していらっしゃるアーティストユニットの方々でした。車木工房にお招きして職人と意見交換したり、私達の事務所にも足を運んでいただき、様々なご意見をいただいたり。またプロダクトの制作にもご助言いただくなど、すっかり頼りきってしまっています。こんな風におもしろい人たちとつながることが、プロジェクトの醍醐味だ、とも感じるこの頃。

9クラウドファンディングに挑戦。

活動を続ける中、壁となるのはやはりお金のこと。最低限のものは自費でまかなったり、知恵と工夫を重ねることで、少ないながらも新しいプロダクトを生み出す所までは辿り着きました。でも、石版リトグラフの存続と活性には、まだまだ費用がかかります。そこでクラウドファンディングの力を借りることにしました。そして2019年5月、目標額の224%となる¥1,122,000のご支援を受け終了。頂いたご支援を元に、プロダクトの商品化、イベントの開催など工房活性化のためのさらなるアクションを進行中です。

OUR PROJECT WILL CONTINUE...

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